Artist-in-residence 001

 

A R T I S T
永田智恵 / Chie Nagata
カメラマン。大阪府堺市出身。大阪や東京にて書籍と雑誌を中心に活動後、取材で訪れた高知に感銘を受け、2016年より高知県に移住。新たに沢山のことを吸収し、人生の旅を楽しみ中。物事を理解し解釈する写真表現を大切にしている。


ありのままを魅力的に捉える力。

 2020年6月、「黒潮の家」のオープン前に滞在し撮影してくださったのは高知に移住された大阪出身のカメラマン永田智恵さん。対象物を深く理解してから撮影に挑まれる姿勢に刺激を受けているクリエイターでもあり表現方法を追求しているアーティストのひとり。とある取材がきっかけでご縁を感じ、精力的に活動されていた東京から高知に拠点を移されたそう。

 彼女の魅力は、撮影前に対象物に対して敬意を持ち失礼のないようにと事前に勉強してきてくださる方。ほどよい緊張感を持ちつつお仕事をご一緒できる貴重な方。事前準備ができているからこそ現場では臨機応変に動くことができ刻々と変わっていく光を操れる。そのモノの等身大、ありのままの魅力を引き出す力があると思う。丁寧に積み重ねてきた経験と磨かれたセンスが複雑に絡み合って唯一無二の魅力的な瞬間を捉えてくれる。

 この「黒潮の家」は、人生のサプライズのような突然の出会いを経て企画運営することになったのだが、アーティスト・イン・レジデンスは高知で実現させたいプロジェクトのひとつだった。きっかけはまたいつか書けたらと思うが、15年以上前になるがヴィジュアル・アート作家である友人がいるウィーンを訪ねて旅をした時の経験から。ある時智恵さんにお話させていただいたら第一号として滞在させて欲しいと言って下さって実現した。

 「黒潮の家」のありのまま、等身大でいつつ空気感が伝わる永田さんらしい作品だなと。

文:町田美紀(@and_miki


※アーティスト・イン・レジデンス(Artist In Residence )
招聘されたアーティストが、ある土地に滞在し、作品の制作やリサーチ活動を行なうこと、またそれらの活動を支援する制度を指すこと。〜中略〜
ジャンルは現代アートのみならず、演劇、ダンス、陶芸、映像、パフォーミング・アーツ、音楽などほぼすべての芸術分野で実施しており、対象もアーティストに限らず、研究者やキュレーター、評論家などが参加できるものもある。アーティストにとっては普段の生活から離れることで制作に集中できるだけでなく、文化の違いを超え、そこでの生活や交流から刺激を受け、新たなインスピレーションを得たり、制作の原動力としたりすることができ、また、人脈のネットワークを広げることができるという特徴もある。一方で招聘する側の自治体や地域にとっては、制作過程におけるアーティストとの交流や、地域の魅力の再発見などのメリットがある。地域文化の振興の点での効果も期待されている。(出典:アートスケープ)

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